伊藤テクライト事務所

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《コラム》No.432 フラットデザインの落とし穴?

 マイクロソフトはWindows8においてUIをフラットデザインに切り替えました。それとあわせ、Officeアプリケーションも2010からフラットデザインを取り入れたものとなっています。皆さんも、それらに触れる機会が増えてきていると思いますが、どういう印象をお持ちでしょうか。

 私は、フラットデザインを新鮮で魅力的に感じるものの、以前のUIと比べて必ずしも全面的に使いやすく進歩したとはいえないと思っています。その問題点がフラットデザインのコンセプトのせいなのか、たんに詰めが甘いせいなのか、あるいは私の感じ方が特異なのか、それについては断言できないのですが…。

 たとえば、Windows8でいうと、スタートボタンがないのが不便だという声は多く聞かれました。8.1でスタートボタン的なものが復活しましたが、これを歓迎した人は多いのではないでしょうか。Windows8でも、デスクトップ画面の左下隅にマウスポインターを移動すると、スタートボタン的なものが表示されますが、ポイントしないとボタンが表示されないという仕様は、けしてわかりやすいものではないでしょう。このほか、右下隅をポイントすることで表示されるUIもあります。ボタンなどをふだんは隠しておくことで視覚的にはすっきりと美しくなるかもしれませんが、どう考えてもわかりにくいし使いにくいと思います。

 Officeでは、2010から採用されたリボンインターフェースにまず問題があります。1つのリボンのなかがいくつかのグループに分かれているのですが、グループ内のボタンがフラットなデザインであるため、ボタン名とグループ名とが同じようなデザインになっており、グループ名もクリックできそうに見えるのです。これは紛らわしい。

 Outlookについては、明らかに機能が後退している部分が目に付きます。2003では、予定表の月表示が、ひと月おきに背景が少し暗い色になっていて、スクロールしていったときに月の区切りが直感的にわかるようになっていました。それが2010からは、背景の色分けがなくなってしまったのです。フラットデザインの行き過ぎと感じます。デザインとは関係ありませんが、メールを予定表のカレンダー内にドラッグすると、その日の予定として登録できるという機能が2003まではあって、便利だったのですが、それもなくなりました。メール、予定表、連絡先といった機能の連携がOutlookの魅力なのに…。

 こういったことから考えると、フラットデザインだからといって使いやすさが保証されているわけではなく、フラットデザインならフラットデザインのなかで、やはり使いやすさの工夫は必要なんだということがいえるのではないでしょうか。(2013.12.26)

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